次世代が夢を抱ける
「カッコイイ養豚」へ
山形県生産者

「やってみてダメならやめよう」から始まった25年
祖父の代から続く農場の3代目として養豚歴は25年になりました。でも、最初から家業を継ぐ意思があったわけではないんです。両親の姿を見ていて、休みもなくきつい仕事だと感じていたので、戸惑いもありました。それでも、父から「お前しかいない」と言われて、「やってみてダメだったらやめよう」という気持ちで始めました。
いざやってみたら、自分が手をかけた分だけ、豚がしっかり期待に応えてくれることに大きなやりがいを感じたんです。弱っていた子豚が手厚い看護で元気になっていく姿を見ると本当に面白く、成果が出るのが楽しみになりました。経営体制を強化するため、自身の代になって2016年に法人化しました。
高収益型経営を実現する鍵となる「トウキョウX」と生産組合の存在
新しい挑戦として、トウキョウXを導入したのは2025年4月です。9月には待望の子豚も誕生しました。
施設の老朽化や飼料価格の大幅な高騰などがあり、養豚事業の継続が危ぶまれる状況になったことをきっかけに、打開策を模索する中で、トウキョウXを紹介されました。当社の豚舎の規模を考えると、多産系の品種で数を追うより、頭数は少なくても高単価・高収益が見込めるトウキョウXの方が適していると判断しました。
いろいろと検討しましたが、トウキョウX導入の最大の決め手は生産組合の存在です。生産組合を通じて他の農家さんから指導を受けたり、情報共有ができたりする安心感はとても大きいです。販売や流通に関しても組合が窓口となって交渉・調整してくれるので、個社で交渉する負担がないことは心強く、大きなメリットだと感じています。

豚の立場に立つ。愛情と工夫を凝らした飼育環境
トウキョウXは他の豚と比べて非常にデリケートで、温度変化に敏感です。特に朝晩の寒暖差が大きい庄内地域では体調を崩しやすいので、導入時には冷たい風が直接豚のお尻に当たらないように風よけを設置するなどの工夫をしました。
また、アニマルウェルフェア(動物福祉)の観点からも、豚がストレスなく過ごせる環境づくりを徹底しています。当地は山形県の中でも米どころなので、お米の副産物である籾殻を敷料として使い、豚にとってフカフカの “お布団” のような場所を提供しています。豚は地面を掘るのが好きなので、これがストレス解消にもつながっています。
自分が暑いと感じれば豚も暑いので、常に豚の立場に立って考えることを徹底しています。日々の小さな変化も見逃さず、愛情をかけるからこそ、上品な甘みとコクのある最高の肉質になるのだと信じています。

難しさの先に楽しさがある。次世代へ繋ぐ畜産の未来
わが社の経営理念は「次世代が夢を抱けるカッコイイ養豚業を目指す」です。養豚業につきまとうネガティブなイメージを変えたいという強い思いがあります。最大の目標は、養豚の仕事の楽しさを若い世代に伝え、この産業に興味を持ってもらい、次世代の担い手を育成すること。スタッフには「ポジティブな気持ちで仕事に取り組み、楽しさを見つけてほしい」と伝えています。理念に共感して集まったスタッフたちとは、「尊い生命と真摯に向き合い、愛情と責任を持って育てる」というビジョンを日々共有しています。
また、InstagramやTikTokなどのSNSを活用して、養豚のリアルな姿や安心・安全な豚肉がどう作られているかを積極的に発信しています。養豚業は、毎日が同じように見えて、実は一頭一頭の状態を見極める繊細な仕事です。きついイメージが先行しがちですが、実際にやってみると夢中になれる、難しさの先にこそ楽しさがある仕事です。女性経営者である私自身が女性でも養豚ができると示すことで、多くの人に興味を持ってもらいたいです。
これからも従業員と一緒に困難を乗り越え、チームを信じて挑戦を楽しんでいきたいです。そして、最高に美味しいトウキョウXを皆さんの食卓へお届けします。




