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トウキョウX とは?
品種の特徴
トウキョウXは、北京黒豚、バークシャー種、デュロック種の3品種を掛け合わせて改良された豚です。それぞれの品種の特徴を併せ持ち、良質な脂肪、細かい筋線維、豊富な脂肪交雑が特徴です。
特徴ある名前には、深い意味があります。おいしい肉質の豚をかけあわせてできたという意味で“X”。よりよい品質をめざして進化していくという意味で“X”。さらに東京の銘柄豚から世界の都市型養豚のモデルをめざそうという意味を込めて“X”。開発者や生産者の想いが詰まっているのです。
トウキョウX 誕生の歴史
トウキョウXの開発が始まったのは、平成2年4月。当時から増加傾向にあった外国産輸入豚肉と差別化できる、高付加価値の地域特産豚肉の開発をめざしてトウキョウXは生まれました。
旧東京都畜産試験場(現・公益財団法人東京都農林水産振興財団)では、トウキョウXに先立って系統豚「エド」を開発してきましたが、差別化できる豚肉としては十分ではないため、さらに高い品質を持つブランド豚の登場が待たれていました。広大な農地を持たない東京の小規模な畜産農家でも、しっかりと収益を上げることができ、同時に、東京都民に安全安心で豊かな食生活を提供したい想いから、開発が進められました。
開発に要した歳月は7年間。 新しい系統をつくる上での品種として、北京黒豚、バークシャー、デュロックの3品種を使用、これらの交配により雑種第一代を作成し、この集団をもとに5世代に渡って選り抜かれた品種を、一つの系統「トウキョウX」として確立しました。
そして、平成9年7月、社団法人日本種豚登録協会(現・一般社団法人日本養豚協会)より日本初の合成系統豚「トウキョウX」として認定されたのです。
トレーサビリティシステム
トウキョウXは、子豚に耳標を着けて1頭ずつ管理しています。豚に生産流通管理の仕組み(トレーサビリティ)を導入しているのは、全国的にもめずらしいことです。
東京都農林水産振興財団青梅畜産センターでは、トレーサビリティシステムを活用し、個体データ(繁殖成績や枝肉成績)等の分析結果に基づく農家指導や、DNA鑑定による偽物流通の防止などの取組を行っています。
1頭ずつの管理は、生産者にとって手間がかかるものですが、偽装表示などの防止に役立ち、また生産から流通・販売まで一貫した取組を通じて、品質と安全安心を消費者に約束する証でもあります。
生産性
生産成績は、一頭当たり産子数は約8頭となり、一般豚に比べるとやや劣っていますが、交配時期を遅らすと産子数が多くなります。母豚によっては13頭と多く生む個体もあります。
性能
ロース断面積
±2.38 cm2
筋肉内脂肪交雑率
±1.93 %
一日あたり平均増体重
±120.9g/日
平均背脂肪厚
±0.32 cm
飼育の特徴
トウキョウXは、現在、東京都内以外に、宮城県、茨城県、群馬県、山梨県で生産されています。その品質管理や安全性を確保するため、「TOKYO X基本ルール」を設けて、飼育や飼育方法の取り決めを行い、統一的に生産・出荷しています。 それが、「東京SaBAQ」という飼育理念です。
どちらかといえば経済効率が追求されがちですが、トウキョウX はこれを見直し、動物の健康に配慮することで肉のおいしさと安全性を実現し、高付加価値な畜産経営をめざしているのです。
生体としてのトウキョウXの特徴
毛色
体型
性格
デリケートな面もあるため、
のびのびとした環境を好みます
流通・市況
流通の仕組み
トウキョウXの肉は、「TOKYO X」のブランド名で平成9年10月から販売されています。TOKYO Xは、TOKYO X生産組合が指定する指定流通業者に出荷します。生産組合では、指定流通業者と相対取引条件を事前に取り決め、生産者と指定流通業者が契約書を取り交わして肉の取引を行うことになっています。TOKYO Xの流通にあたっては、生産者、指定流通業者など関係者が一丸となって、TOKYO Xの肉質の向上と均質性の維持に取り組み、 おいしくて安全安心なTOKYO Xを消費者へ届けているのです。